仕事論

【体験談】派遣エンジニアの僕がブラックIT企業でぶっ倒れた話

こんにちは、派遣エンジニアのyuuです!

今回は、僕がWebエンジニアとして初めて派遣された現場での体験談を紹介します。

5000字を超える、壮大な自分語り記事となってしまいました…。

今でこそ楽しくお仕事をしていますが、「こんなにしんどいなら、おれエンジニア向いてないわ…」なんて思っていた時期がありました。

本記事で言いたいことは1つ。

 

「心身の健康を害してまで、やる価値のある仕事はない」

 

ということです。

僕が倒れてしまったのは、Webエンジニアとして開発現場で仕事をし始めて、3ヶ月目でした。

時系列順に語っていきたいと思います。

それでは、どうぞ。

現場での体験談

面談 – とにかく開発がしたかった

エンジニア派遣では、人手が欲しい企業の採用担当者やプロジェクトマネージャーと、派遣されるエンジニアが就業前に面談を行うことが一般的です。

当時新人を終えたばかりの僕は、同期が1人、また1人と開発現場へアサインされる中、なかなかアサイン先が決まりませんでした。

「自分だって早く現場に出て開発したいのに…!」

そんな悶々とした気持ちを抱えながら、僕史上3社目の面談が決まりました。

その現場は月間数百万PVを誇る有料情報サイト(なんの情報サイトかは伏せます)の開発・運用をしているところ。

絶対にここで決める。そんな強い想いを持って面談に臨みました。

現場の偉い人
現場の偉い人
今、本当に人が足りないんだ。

Javaでの開発経験があって、画面周りもある程度いじれる人なら大歓迎だよ

営業
営業
yuuはめちゃくちゃ優秀です。

外の現場での開発経験こそありませんが、弊社の社内プロジェクト(研修のこと)ではチームリーダーとしてメンバーを引っ張ってくれています(大嘘)

yuu
yuu
(よくわからないけど)めちゃくちゃ頑張ります!

そんなこんなで、次の日には内定のお返事がいただきました。

新人一人で現場に乗り込むのは不安もありましたが、むしろ自分の実力を試すにはちょうどいいと思いました。

yuu
yuu
これからガチで開発ができるぞ…!

この頃は、仕事が嫌になって倒れてしまうことなど思いもしませんでした…。

1ヶ月目 – 仕事めっちゃ楽しい

心臓バクバクで出社したことを覚えています。

僕の上司となる方に会社の前で出迎えられ、何百人ものエンジニアが日々開発をしているオフィスに入りました。

上司
上司
ここがyuu君の座席ね。

環境構築はしてあるから、今日はサイトを見たりコード追ったりしてみて

yuu
yuu
わかりました!

初日はそんな感じで、ゆるっとスタートしました。

初めて経験する超大規模システム。

ソースの量は膨大で、見たこともない記述もありましたが…

なんとか読むことは出来る。

yuu
yuu
これなら仕事出来そうだぞ…!

その日は仕事は振れず、実際に仕事という仕事をし始めたのは、3日目くらいからでした。

1ヶ月目は軽微な画面の修正や、リンクの張り替えなどのような簡単な仕事が多かったです。

残業もほとんどなく、この時はまだ仕事を楽しむ余裕がありました。

2ヶ月目 – 先輩社員が消える

上司
上司
先日辞めた〇〇さんのタスク、yuu君に引き継いでもらうからよろしくね。

工数は20人/日想定だけど、あまり人件費かけたくないから巻きでお願い

yuu
yuu
え?

アサインしてから2ヶ月と1週間がたった頃、急に退職してしまった人が抱えていたタスクの巻き取りをすることになりました。

詳細は書けませんが、既存のシステムを大きく改修するタスクです。

yuu
yuu
すみません、改修内容まとめた資料がぜんぜんないんですけど…
上司
上司
それしかないよ。

あとはお客さんとやりとりしながら、君が仕様を固めていくんだ

渡された資料は、顧客が作った画像ベースの要求仕様書一枚と、元担当者が書いたであろうテキストファイル。

「デザインはこんな感じがいい」

「毎日何時にデータを集計して、有料会員はこの情報にアクセスできる」

「iphone7ではこの表示だけどandroidでは…」

なんとも簡単に書いていますが、その要求を実現するためにはDBのテーブル構造見直しから始まり、影響範囲を調査しつつサーバー側の処理を設計&実装。

同時にデザインチームにモックを依頼、バッチチームにはシェル改修の依頼、それらが出来上がってきたら統合してテストシナリオを作成。

各種端末で問題ないか検証し、納品するお客さん用の設計書も書いて… なんて工程を、1人で。20日で。

今でこそこんな風に、開発の流れをざっくりとイメージ出来ますが、当時の僕はそれがどれほど重いタスクか検討もつきませんでした。

むしろ、いきなりデカい仕事が舞い込んできてワクワクしました。

yuu
yuu
(これは自分に期待してくれているのか…?)コード読んでみないとなんともですが、とにかく頑張ります!
上司
上司
おう、頑張れ!

3ヶ月目 – 仕事が終わらない

納期は20日でしたが、終わりませんでした。

最初の1週間は、とにかく方々に確認をして終わりました。

まずはお客さんの要望を洗い出し、それが実現できるかを検討。自分1人ではわからず、上司や他のチームを巻き込むも、忙しくてなかなか相手にしてもらえない。それでも根気よく頑張って、ようやくまとまった書類を元に、お客さんと再度会話して…

いびつながらも、ここでようやく仕様書が完成。

この時点で僕に残された時間はあと13日。

yuu
yuu
朝は早出、夜は残業、休日も出勤して時間を確保するしかない…

当時の僕はこんな感じで仕事をしていました。

  • 朝夕2回、レッドブルをチャージ
  • 22時以降、ブラックコーヒーをチャージ
  • 頭痛くなったら随時、ロキソニンをチャージ

会社に泊まって朝まで開発… というのは規約上できませんでしたが、毎日7時に出社して24時に帰社するという生活を13日(およそ2週間)続けました。

それでも、プロジェクトは完成しませんでした。

大体は形になっているけど、検証が終わりませんでした。

システム開発は、設計→製造→検証という流れで進むのですが、この検証に一番時間がかかります。

システムが90%完成したとしても、そこから100%に近づけていく工程が一番難しいのです。

僕はもう、限界を超えるギリギリまできていました。

体力は大丈夫でしたが、心が。

上司
上司
もっと効率の良い方法を考えろ!
上司
上司
もっと稼働を上げろ!
上司
上司
残業しないといけないのはお前の責任だ!

仕事が完了できないのは、自分の能力不足。自分がもっと頑張らないと、このプロジェクトが失敗してしまう。

yuu
yuu
製造は完了している。もうちょっとで終わる
yuu
yuu
そろそろ土日くらいは休みたい。休みたいけど… 休んだらその次の日がもっと辛くなる
yuu
yuu
もっと効率よく、もっとシビアに、テストをしないと…

でも、時間がもう… 

 

「もうダメだ」

 

と思ったこのタイミングではじめて、実は少し前から、上司がお客さんに相談してリリース日を延期していたということを伝えられました(今振り返ると、プロジェクトマネージャーがこの様にリリース日に調整を入れるのは割とあるあるです)

時間がないと言いつつ、冷静にプロジェクトの進捗を見極めリスクを管理していたのです。それをずっと自分に伝えなかった意図は… あまり考えたくありません。

そして延長戦が始まりました。

3ヶ月目 – 延長戦!

yuu
yuu
ただでさえ遅れているんだ。早く終わらせなければ…

この時はもう、開発の楽しさを見失っていました。

毎日吐きそうになりながら出社して、昼休みは寝て、終電まで検証をする。

それでも、最終的には周りの協力もあり、なんとか1週間で検証を終わらせてリリースにこぎつけました。

上司
上司
よく頑張ってくれた!本当にお疲れ様!これからも期待してるよ!
yuu
yuu
いえ、よかったです…

リリースして数日、大きな障害などは報告されませんでした。プロジェクトは成功したのです。

そして、次のプロジェクトにアサインされることが決まり、打ち合わせをした翌日。

僕は会社にいくことができませんでした。

朝起きて、会社に行かなければという気持ちが1mmも湧かない。

「頑張ろう」という気持ちが湧いてこない。

うつになったわけではありませんが、急に仕事に対する熱が冷めてしまいました。

yuu
yuu
もうなんでも良いや。めんどくせえ

支度をするのをやめて、また寝よう。

自分が会社をバックれても、他の誰かがきっとやってくれるだろう。

自分だって、よく知りもしない誰かの尻拭いのために仕事頑張ってたわけだし。

上司も「yuu君に頑張らせ過ぎちゃったかな〜」って反省すれば良い。

自分の担当分は終わらせたんだし、もう他のプロジェクトが失敗しようが関係ない。

yuu
yuu
…関係ないけど、会社には連絡入れとこう

そんなこんなで、2日ほど体調不良と言って会社を休みました。

2日目のお昼ごろ、派遣元(僕の本社)から電話がありました。

本社の人
本社の人
ちょっとランチがてら、面談をしたい

僕は本社へ向かいました。

3ヶ月目 – 本社での会話

本社の人
本社の人
yuu君の派遣先の上司から連絡が来たんだよ。仕事のしすぎで参ってしまったのかもしれないって
yuu
yuu
(誰のせいだと思ってるんだ…)はい、まあ

要は、「早くyuuを現場に戻してくれ。ダメそうなら代わりをくれ」という要望でした。

僕はこの時、勤め人として働くということに絶望していました。

汗水流して働いて、その対価としてお金をいただく。それを生きるために、死ぬまでずっと続ける。

 

「エンジニアは続けるけど、とりあえず、今の会社はもうやめちゃおうかな…」

 

それとなく伝えて帰ろうと思ったその時、

本社の人
本社の人
今の現場、多分クソだよ。現場変えてみない?
yuu
yuu
…え、良いの?
本社の人
本社の人
うん。良いよ
本社の人
本社の人

yuu君、いま元気?

元気なら、もしyuu君がウチの会社辞めたいって言っても、それを止めない。

たぶんyuu君はよそ行っても通用するし、なんなら次の就職先が別にエンジニアじゃなくても良いと思う

本社の人
本社の人

でもいま元気じゃなくて、そんな状態でウチを辞めたいって言うなら考える。

今の現場で心が疲れていて、そんな状態でウチを辞めて、何ヶ月も仕事ができない状態になってしまったら、それは最悪だから

その方は元エンジニアで、結婚を機に一度開発の現場を離れ、カウンセリングの資格をとって現場サポートと言う形で仕事をしている人でした。

yuu
yuu
うつとかではないんですけど、今の現場は変えてみたいです
本社の人
本社の人

うん、わかった。早めに調整するけど、もう即日辞めたい感じ? …

4ヶ月目 – 別の現場にて

そのやりとりがあってから1ヶ月半後には、別の現場に移れました。

その現場は、前の会社とは別世界のようでした。

新現場の上司
新現場の上司
ごめん、今ちょっと仕事準備中だから自分の勉強してて良いよ!
新現場の上司
新現場の上司
急で悪いんだけど、この仕事やってもらえるかな?内容は資料まとめてあるから
新現場の上司
新現場の上司
わからないことがあったら何でも気軽に聞いて!悩みとかもあったらどんどん相談してね!

残業もストレスもほとんどない現場です。

開発でつまづいて質問をすると、その回答と10のTipsを返してくれます。

「なるほど…!」なんて言いながら、気持ちよく開発ができる。

yuu
yuu
開発楽しい…!

こうして、今も僕は派遣エンジニアとして開発の仕事を続けています。

終わりに

拙い文章でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

繰り返しですが、これが僕の言いたいこと。

「派遣エンジニアは心身 + 時間を削ってまで仕事にコミットしなくていい!!」

本当に、終電まで残って開発しても良いことないです。

技術が上がるか?と聞かれたら… まあ上がりますが、余裕のない開発はその場しのぎの対処ばかりです。

それより、最初にしっかり計画を立てて、その通り実装を一つ一つ当てはめていくほうがよっぽど経験になります。何より、心身ともに負担が少ない。

派遣エンジニアって、頼まれたシステムを締切内に完成させなくても、別に責任を問われたりしません。

早めに「ちょっと納期厳しいです」と報告すれば、まともな現場なら調整してくれます(僕の現場みたいに、調整はしてくれるけどエンジニアには伝えない、みたいな良くない現場もまれにありますが)

ただ、若くて真面目なエンジニアは基本的に「無理」と言わない人が多いので、心を壊してしまう人がいます。人材を欲しがる企業にとっては、仕事にめちゃくちゃコミットしてくれるので、技術レベルが低くても若いエンジニアは需要があるんですよ。

もうIT業界の構造上、エンジニア派遣会社から労働力なり給料なりを搾取されるのは仕方ないので、そのぶん経験や技術を稼いで、それでも割りに合わないくらいしんどかったら現場変えちゃって良いと思うんです。

僕らはがっつり搾取(言い方w)されてるんだから、現場に関する不満くらいは言って良いんです。

それで会社がNoと言うなら、そんな会社やめるのが正解です。エンジニアは働き口がたくさんあるので!(これは会社もわかっているので、基本的にはエンジニアの意見は尊重してくれます)

そして、今の現場ではダメ人間扱いされていたとしても、次の現場では天才と呼ばれることだってある。

評価なんてそんなもので、相手を気にして行動しても消耗するだけです。

自分が「ここダメだ」って思ったら、潰れる前に相談して、どんどん次に行っちゃっていいんです。

僕は今の派遣会社では、自分が「いいな」って働き方ができていると感じるので、もう少しだけ経験を稼いでからやめようと思います。

それでは、少し長くなりましたが、今回はここまでとします!